人工知能
Online ISSN : 2435-8614
Print ISSN : 2188-2266
人工知能学会誌(1986~2013, Print ISSN:0912-8085)
A System for Enabling Evolutionary Knowledge Management Process across the Life Cycle of Complex Engineering Systems(Inflastructure of Knowledge/Information)(<Special Issue>Doctorial Theses on Aritifical Intelligence)
加藤 義清
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2004 年 19 巻 1 号 p. 98_2

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抄録

本研究は,従来の知識マネジメントシステムが抱えるcapture bottleneck問題を解決するためのアプローチとしてナレッジリサイクリングの枠組みを提案し,システムの構築を通してその実現可能性を検討したものである.ナレッジリサイクリングとは,人工衛星などに代表されるような大規模・複雑システムの開発過程で生まれてくる膨大な情報に着目し,その中から開発者の知識,経験および開発の文脈を反映した断片的な情報である知識断片を取り出し,利用するという枠組みである.この枠組みの実現可能性を検証するためのシステムとして設計吉報統合管理システムIDIMS(Integrated Design Information Management System)の開発を行うとともに,ナレッジリサイクリングの実現のために以下の三つの技術について取り組んだ.1)電子メールのタグ付けによるdesign rationaleの獲得 2)不具合経験情報の蓄積とそれを利用した故障診断支援 3)時系列データの検索技術本研究を通じて,従来は十分に活用されてこなかった,大規模・複雑システムの開発過程で生じる膨大な情報の活用法を提案し,その有効性について検討を行った.そして,さまざまな技術の検討やユーザ実験を通して将来の知識マネジメントシステムのあり方についての一つの方向性を与えた.

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© 2004 人工知能学会
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