2019 年 2019 巻 SAI-034 号 p. 03-
飲食店向け不動産物件の賃料は,不動産会社のベテラン営業職員が培ってきた経験や勘といった暗黙知に基づいて決定されている.賃料の決定要因としては,物件固有の情報である静的情報,物件周辺の情報である動的情報,物件の特徴などを含む潜在的情報が挙げられている.潜在的情報は,ベテラン営業職員による指標化が難しいとされる情報である.本研究では潜在的情報として,物件に付与されているキャッチコピーを用いる手法を提案する.キャッチコピーはDoc2Vec によりベクトル表現に変換し,ノイズを除去するため,品詞の選別を行なった.その結果,品詞の選別を行うことで推定精度が向上し,重回帰分析を用いた場合に,決定係数が0.611 と最も高い値が得られた.