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G.フォーレの歌曲創作における「和声構造」の構築手法3 : 〈それは恍惚なこと〉作品58-5を対象として
https://doi.org/10.20675/00002383
https://doi.org/10.20675/0000238399916971-6233-4a0f-8471-ed510514f6db
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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D33_019_Konno.pdf (2.2 MB)
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Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||
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公開日 | 2021-07-21 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | G.フォーレの歌曲創作における「和声構造」の構築手法3 : 〈それは恍惚なこと〉作品58-5を対象として | |||||
タイトル | ||||||
言語 | en | |||||
タイトル | A Technique of Construction for the “Harmonic Structure” in Gabriel Fauré's Song Creation 3 : With a Focus on C'est l'extase from Cinq Mélodies de Venise Op. 58 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
キーワード | ||||||
主題 | ガブリエル・フォーレ, 《5つのヴェネツィアの歌》Op.58, 音楽理論, 和声, ポール・ヴェルレーヌ | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||
ID登録 | ||||||
ID登録 | 10.20675/00002383 | |||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||
著者 |
今野, 哲也
× 今野, 哲也× Konno, Tetsuya |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 本研究は、《5つのヴェネツィアの歌》Op.58(1891)の第5曲〈それは恍惚なこと〉を対象に、フォーレの和声構造の構築手法を読み解くことを目的とする。一昨年より開始した本研究だが、すでに第2曲〈ひそやかに〉と、第4曲〈クリメーヌに〉の検証を終えている。第5曲の特徴としては、(1)作曲者の真価を示す和声技法が展開されている点、(2)詩節と音楽の区切りには一部、懸隔が見られる点、(3)独自の「和声構造」(調の配列に基づく楽曲全体の構成方法)の美しさを兼ね備えている点、(4)それがヴェルレーヌの原詩(3節構造)と密接に結び付けられている点などがあげられる。また、(5)歌曲集の最後を飾る曲という意識からか、第2曲や第3曲〈グリーン〉から引用された主題類も特徴のひとつである。本稿ではとくに(3)(4)の点から、第5曲を読み解く鍵は「和声構造」の構築手法にあると考えるものである。 本研究は〈それは恍惚なこと〉を、【A】(第1節の歌詞)→【B】(第1節)→【C1】(第1・2節)→【D】(第2節)→【E】(第3節)→【C2】(第3節)という、6部構成の「和声構造」に帰結する。その内部においては、卓抜な和声技法に裏付けられた、大きな調のうねりが見られる一方で、俯瞰的に見た場合には、むしろ主調の周りを旋回させようとする意図も窺える。和声上の勘所は、終結近くの【C2】の第41~44小節における、主調Des-durと3全音調G-durの反復である。この転調を仲介するものが「属7の和音」と、「短9の和音」(根音省略形体・第5音下方変位)による異名同音的転義、すなわち「裏コード」である。あらゆる音度関係の転調を可能にする「裏コード」は、ロマン派音楽で愛好されたアイテムだが、フォーレの作品にも瞠目すべき用例が見出される。【C2】の歌詞は、「夕ぐれの中に魂の交唱が小声で立ち上るの?」という問いかけである。この部分における3全音調の不安定な調の入れ替わりに、主人公(「私」と「君」、恐らく若い男女)の「魂の揺れ動き」を読み取ることができると考えている。こうした感覚を表現すべく、局所的には「動」、大局的には「静」の発想を使い分ける、フォーレの柔軟な「和声構造」の構築感覚こそが、〈それは恍惚なこと〉の本質を成しているのではないかという見解を述べ、本研究の結論とする。 3全音の調関係は、曲集の第1曲〈マンドリン〉の主調(G-dur)と、終曲の主調(Des-dur)の関係でもある。第5曲の終結部分は、曲集全体のコーダも兼ねていると考えれば、歌曲集の首尾に置かれる3全音関係は、第1曲への再現を示唆する動向とも言えよう。第5曲は「小声の交唱」で終わり、第1曲はdolceで歌う「セレナーデ」で開始する。両者を取り持つものは、「静かな歌=音楽」である。「音楽」を仲立ちとしながら、第5曲の「魂の揺れ動き」は、第1曲へと“Zykrus”(循環)を成し、歌曲集全体として「魂の再生」のようなものを喚起していると解釈している。この考えを掘り下げるためには、残りの第1曲と第3曲の検証も必要となろう。今後の課題としたい。 |
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書誌情報 |
音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 33, p. 19-36, 発行日 2021-03-31 |
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出版社 | ||||||
出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||
ISSN | ||||||
収録物識別子タイプ | ISSN | |||||
収録物識別子 | 02894807 |